女性の更年期は「閉経、卵巣の定年」が訪れます。

 更年期障害にはどういう症状があるか、わかっていただけたと思いますが、男性には更年期障害はないのに、女性にだけ、なぜこのようなことが起こるのでしょうか?
それは、私たち女性の卵巣に定年があるからです。よく、お肌の曲がり角は25才といわれていますが、卵巣にも曲がり角があります。卵巣の曲がり角は35才ぐらいで、このころから徐々に働きが衰え始めます。私たちが女盛りを謡歌している最中に、体の中ではすでに老化が始まっているのです。

 

 卵巣は老化すると小さく、かたくなってきます。すると、中にまだたくさん卵子は残っていても、排卵がうまくいかなくなります。
月経のリズムが狂ったり、機能性出血が起きたりするのはそのためです。お才ぐらいからだんだん衰え始めて、働きが完全にストップしてしまうのが日才ぐらいですから、卵巣は、約20年くらいかけて少しずつ衰えてくるわけです。

月経は、視床下部、下垂体、卵巣が刺激し合うことで起こります。

 卵巣が衰えてくると、いったいどうなるのでしょうか?
それを理解するには、月経が起こる仕組みを頭の中に入れておく必要があります。
月経は、問脳の視床下部、下垂体、卵巣の三つの部位がお互いに刺激し合い、うまく働くことによって起こります。
まず、視床下部から性腺刺激ホルモン放出ホルモンが分泌され、これが下垂体を刺激し、下垂体は、卵胞刺激ホルモン(FSH)を分泌します。この卵胞刺激ホルモンが卵巣の中にある卵胞を刺激し、そのうちの1個の卵胞が成熟し始めます。このとき同時に、卵胞からエストロゲン(卵胞ホルモン)が分泌されます。このエストロゲンは、妊娠に備えて子宮内膜を厚くする働きがあります。

 

 さて、血液中にエストロゲンがふえてくると、その情報が視床下部と下垂体にフィードバックされます。すると、下垂体からの卵胞刺激ホルモンの量が減り、それにかわって今度は黄体化ホルモン(LH)が多量に分泌されます。これが十分成熟した卵胞を刺激して、卵子が飛び出します。これが排卵です。卵胞から飛び出した卵子は卵管に吸いとられていきます。これで受精の準備はすべてととのったわけです。
一方、卵子が飛び出したあとの卵胞は黄体というものに変化し、プロゲステロン(黄体ホルモン)と少量のエストロゲンを分泌します。プロゲステロンは受精卵が着床しやすいように子宮内膜をととのえます。しかし、受精が行われないと、黄体はやがて退行して、プロゲステロンとエストロゲンの量も急激に減ってきます。その結果、厚くなっていた子宮内膜がはがれて出血が始まります。これが月経です。

 

 月経が始まってエストロゲンとプロゲステロンの量が低下すると、再び視床下部から性腺刺激ホルモン放出ホルモンが出て下垂体を刺激し始めます。このようにして月経は周期的に繰り返されるのです。そしてエストロゲンの量が極端に少なるなると閉経を迎えるということです。女性ホルモンのエストロゲンや月経、閉経を詳しく知るには閉経更年期障害お助けナビがおすすめです。

更年期になると、卵巣から出る女性ホルモンが激減!

 視床下部、下垂体、卵巣がこのようにお互いに刺激を送り合いながら一定のリズムを保っているときに、卵巣が老化して働きが悪くなるとどうなるでしょう。
卵巣からはエストロゲンとプロゲステロンの2種類の女性ホルモンが分泌されていますが、老化とともにこれら女性ホルモンの分泌量が急激に減ってきます。特にエストロゲンは、乳腺を刺激して乳房を豊かにしたり、腔粘液の分泌を促したり、肌の張りを保ったりして、女らしきを保つうえで重要な働きをしています。また、悪玉コレステロール(LDL)を減らして、善玉コレステロール(HDL)をふやしたり、骨からカルシウムが出ていくのを防いでくれます。間脳に働いて気分を明るくする作用もあります。そのエストロゲンが激減するのですから、体のあちこちにトラブルが出てくるのは当然といえます。

卵巣が衰えると自律神経を狂わせる

 卵巣が衰えてくると、卵巣にハッパをかけ、もっと働かせようとして、下垂体は卵胞刺激ホルモンをいままでの叩倍も却倍も大量に分泌して卵巣を刺激します。ところが、この下垂体も、視床下部の指令を受けて働いています。そのため、視床下部もまた、いままで以上に大量の性腺刺激ホルモン放出ホルモンを出して下垂体を刺激しなくてはなりません。すると、どういうことが起こるのでしょうか。女性ホルモン分泌をコントロールする最高司令部のある間脳の視床下部は、このほかに自律神経の中枢も兼ねています。そこがパニックを起こすのですから、自律神経のバランスも狂って、のぼせたり、ほてったり、汗を大量にかいたり、動惇や息切れがしたり、腸の動きがおかしくなったり、冷え症になったりと、ありとあらゆる不定愁訴が出てくるというわけです。